弦楽器制作

 

音が決める形はどこか自然で温かみがあります。

定規で引いたような幾何学的なラインではなく、生き物のラインがそこにはあります。

私は伝統的なヴァイオリン制作の方法は知りませんが、音が同じになるように削っていくと、

自然とこの形になってしまうことに気が付きました。

2015-01-19 01.33.10いったいどのように作るのでしょうか?

その秘密はこの図形にあります。

2012-05-11 15.09.00このラインは同じ音程に聞こえるラインです。

天気図の等高線のように見えるので、私はこれを等音線と呼んでいます。

この等音線を重ね書きしたものを音の図形「フォノグラム」と呼んでいます。

このフォノグラムはいわば、音の分布図でこれを調べればどのように削っていけばよいのかわかります。

楽器のすべての面が同じ音程になった時、自然とヴァイオリンの局面が浮かび上がってきます。

2012-06-28 18.20.31まるで嵐の天気図のように見えたフォノグラムがだんだんと秩序をもって結晶化していくのがわかります。

2012-06-11 04.03.44フォノグラムがユークリッド幾何学のような結晶構造になった時、なぜかすべての場所で同じ音程になります。

このことは圧電スピーカーを利用した実験により、物理的にも等音構造になっていることが確かめられました。

詳しくは学術論文「音の造る形」にまとめてあります。

ネックのような複雑な形も等音構造になるように削ります。

この渦巻形態も音の形だったことがわかります。

2005-05-07 14.54.09eeeeフォノグラムの情報をもとにどこを削っていけばいいかが自然に決まります。

音と形の研究を進めていきますと、音の造る形に人間の個性など入り込む余地はないのではないかとさえ思えます。

きっと誰が彫っても同じ形になると思います。

これは共鳴の原理に基づいた自然の法則なのです。

2015-01-01 19.31.16木は生き物ですから、同じ木材などありません。

当然、すべての木材が異なった音の分布を持っているはずです。

畑のきゅうりやナスの形がみな違うように、音で作った楽器たちはみな違った形になります。

でもきゅうりがきゅうりであるように、ナスがナスであるように

全ての楽器は等音構造になっているのです。

2012-04-25 21.12.48音が作った楽器はどんな響きを奏でるでしょうか?

いまだ解明されていな楽器制作の秘密がここにあるのではないかと思うのです。

2015-01-21 00.12.40*音を頼りに形を作っていくとどうやっても左右非対称になってしまいます。
オールドバイオリンの名器に非対称楽器が多いのは
ひょっとして同じ方法で作っていたのではないでしょうか?*