ピカソと皮膚(4)

現代という時代は、物質的には豊かになりましたが、多かれ少なかれ、
全ての人が精神的には分裂状態です。雑多な世の中で、いろいろな顔(人格)を演じなければ、
いけませんのでしかたのないことかもしれません。

肉体が一つであるために、人格も一つしかないような”錯覚”に陥りますが、
むしろ、人格が統一されている場合は、まれではないかと思います。

ひとは、24時間頭の中で会話をしています。相手は自分自身です。統一された状態では、
ただ「集中」があるだけで、このようなことは起こりません。
内部の複数の自己が、葛藤しているわけです。この状態が「意識現象」であるとしますと、
「意識」感覚がある状態は、精神分裂状態と言わざるおえません。
このような意識の分裂状態も、フォノグラムにしっかりと現れます。

過去記事(ブログ「フォノグラム(音の図形)」) 平和な状態を目指して では、
二つの異なる秩序の共鳴体が一つに統合していく様を見ました。
これと同じことが、身体内部で起こっています。意識の支点(不動点)が一つにまとまらずに、
複数に分離してしまっているのです。
現代人で一つに統合されている状態の人は、少ないでしょう。
また、そのおかげで知性や理性が発達したのかもしれません。

分裂した複数の自己(少しずつ位相のずれた)を、無理やりひとつにつなぎ合わせた現代人の姿は、
ピカソの絵そのものでしょうか?

泣く女「泣く女」:ピカソ

派手な赤と青の帽子をかぶり、髪をきれいに梳かしつけた大人の女性が、
幼児のように、恥も外聞もなく、ひたすら泣いている。
モデルはドラ・マール。当時ピカソの愛人だった。
マン・レイによる彼女の写真が残っており、知的で個性の強い神経質そうな美人(キャリアウーマンタイプ)である。
洗練された外見とは裏腹な、内面の分裂状態が描かれている。

 

 

もう少しつづく